木材の種類や産地・仕上げの状態で品質の差(色・太さ・堅さ・密度)が出やすい。そのため、求める質感や色味を出すために、数種類の木炭を使う場合があります。
柳(ヤナギ)の木を高熱で焼いた木炭は、青みがかった黒で濃淡の調子が非常に出しやすい物です。
ヤナギの他に栗(クリ)や榎(エノキ)、椋(ムク)、玄圃梨(ケンポナシ)などがあります。すべてヤナギより硬めの材質になります。細部の表現や描き込みをおこなっていく際に便利です。また色味も若干異なります。それぞれの描写の目的にあわせて選ぶことがよいかと思います。
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木炭の黒色は、鉛筆、コンテ等とは異なる独特な色合いを持っています。軟らかく伸ばしやすいという特徴を活かして、消したり描いたりを繰り返すことにより同じ黒色でも微妙な色合いの差異を表現することができます。さらに、濃淡の異なる様々な材料の木炭を使えば、色合いは一層変化に富んだものになります。もちろん色合いの変化だけではなく木炭の腹を使って広い面積を軟らかい調子で描くことも、切っ先で鋭い線の表現も可能です。
また、明暗の表現や、調子の表現については描画材料のなかで画用木炭が最も適しているといえるでしょう。ただたんに同じ黒色といっても、そのグラデーション(階調)は変幻自在であり、その色調は他に類をみません。
したがって、木炭の美しさの秘密は色そのもの自体よりも、むしろ調子(トーン)の深さにあるといったほうがふさわしいかもしれません。 |
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木炭を斜めに寝かして描く。 |
布でこすり込むように押さえる、又は布で払う場合もある。 |
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擦筆でぼかす。 |
ネリゴムで消す。 |
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